日本企業の韓国進出支援:現地法人設立から駐在員赴任まで
韓国進出の手続きそのものは進出元の国を問いませんが、日本企業の場合に実務上の差が出る箇所は決まっています。本社書類の認証経路、日本国籍の方の入国と在留資格の関係、そして年金の取扱いです。KOCATIONを運営するVISION行政書士事務所(비전행정사사무소)は、法人の設置登記とそれに続く駐在員ビザ・赴任後の定住を単一の窓口で受け付けます。
まず形態を決める:現地法人・支店・連絡事務所
韓国での拠点は、現地法人(外国人投資法人)、韓国支店、連絡事務所のいずれかとして登録されます。韓国で顧客と契約し売上を計上されるのであれば現地法人か支店が必要で、連絡事務所は本社との連絡・市場調査・広告宣伝・研究開発支援といった非営業機能に限定されます。
現地法人は外国人投資促進法に基づき、外国人投資家1人あたり1億ウォン以上の投資であれば外国人投資企業として登録できます。支店・連絡事務所は外国為替取引規定に基づく設置届出の経路です。どちらを選ぶかで、赴任される方に開かれる在留資格の経路も変わります。
本社書類とアポスティーユ
日本はハーグ・アポスティーユ条約の締約国です。したがって日本で発行された公文書 — 法務局が発行する登記事項証明書や印鑑証明書など — は、領事認証ではなく外務省のアポスティーユによって韓国側で受理される形に整えます。
一方、委任状や決議書のように本社が作成する私文書は、そのままではアポスティーユの対象になりません。日本の公証人による認証を経てから外務省のアポスティーユを受ける、という段取りになります。ここを取り違えると本社での書類取得をやり直すことになり、実務上もっとも日程を失いやすい箇所です。加えて、いずれの書類も韓国語訳が必要です。
| 書類 | 性質 | 韓国で受理されるまでの経路 |
|---|---|---|
| 履歴事項全部証明書 | 法務局発行の公文書 | 外務省のアポスティーユ → 韓国語訳 |
| 印鑑証明書 | 法務局発行の公文書 | アポスティーユ → 韓国語訳 |
| 会社保管の定款 | 会社の写しとしては私文書 | 日本の公証人の認証 → アポスティーユ → 韓国語訳 |
| 取締役会議事録 | 私文書 | 公証人の認証 → アポスティーユ → 韓国語訳 |
| 委任状 | 私文書 | 公証人の認証 → アポスティーユ → 韓国語訳 |
| 代表者の旅券 | 身分を証する書類 | 写し。代表者が外国人登録番号をお持ちの場合はそれと併せて使用 |
| 韓国国内で営む業務の内容・範囲の明細書 | 韓国側提出のために作成 | 韓国語で作成。認証は不要 |
分かれ目は公文書か私文書かです。日本の官公署が発行した書類はそのままアポスティーユへ進み、会社ご自身が作成された書類は先に公証人の認証が必要になります。どの書類がどちらに当たるかは、本社で取得を始められる前に確定してご案内します。
日本国籍の駐在員の在留資格
日本国籍の方は短期の訪問について査証免除の対象であり、この点が中国など査証が必要な国からの赴任と大きく異なります。ただし査証免除で入国できることと、韓国で駐在勤務ができることは別の問題です。韓国の拠点に赴任して職務に就くには、それに対応する在留資格が必要です。
外国企業が自社の韓国内事業場へ派遣する必須専門人材はD-7(駐在)、外国人投資企業の必須専門人材はD-8(企業投資)が基本の経路です。D-7については、派遣前に外国の本社・支社などで1年以上勤務した経歴が原則として求められます(国家基幹産業・国策事業への従事など、一定の例外が定められています)。手続きは韓国側の拠点が招へい者として査証発給認定書を申請し、その後に赴任者が日本の大韓民国大使館・総領事館で査証を申請する流れが一般的です。
日本の本社が見落とされやすいのは、査証免除の期間が終わった後の扱いです。日本は無査証入国の許可対象国として滞在期間90日で掲載されており、施行日は1993年11月2日です。しかしマニュアルは、査証免除協定または観光通過の目的で入国した方については原則として在留期間の延長や在留資格の変更許可を行わない旨を明記しています。滞在がその期間を超える場合は、必ず査証を取得して入国する必要があります。まず無査証で入国し、現地で切り替えるという経路は成立しません。
| 場面 | 取扱い |
|---|---|
| 許可される期間内の短期出張 | 日本国籍の方は無査証入国の対象で、滞在期間は90日 |
| 韓国拠点で職務に就く | 対応する在留資格が必要 — 企業内転勤はD-7、外国人投資企業の必須専門人材はD-8 |
| 無査証の期間を超えて滞在する | 入国前に査証の取得が必要。査証免除等で入国した方には原則として延長は認められない |
| 無査証で入国した後に現地で切り替える | その場合、原則として在留資格の変更許可は行われない |
| 同伴されるご家族 | F-3。ご本人の資格から派生し、ご本人の申請と併せて準備 |
出典:法務部出入国・外国人政策本部「査証発給案内マニュアル」(無査証入国許可対象国家一覧表を含む)。
社会保障協定と年金の取扱い
韓国と日本の間には社会保障協定があり、本国の制度に加入を継続したまま派遣される勤労者は、本国機関が発行する適用証明書に基づいて韓国の国民年金への加入を一定期間免除されうる場合があります。二重に保険料を負担する事態を避けるための仕組みであるため、赴任前に確認しておく価値があります。
一方、健康保険は別の扱いです。適用事業場の勤労者は就業と同時に韓国の国民健康保険の職場加入者となり、韓国国内に6か月以上滞在する外国人は地域加入者として当然加入の対象となります。年金と同じ整理にはならない点にご注意ください。該当性は個別の事情によるため、赴任案件ごとに確認します。
赴任後の定住まで一つの窓口で
拠点の登記が終わっても、赴任される方には住まい、外国人登録、銀行口座、通信、ご家族の学校が残ります。韓国の賃貸は保証金が高額で、その保証金を守るための手続きは外国人登録と結び付いています。KOCATIONは設置登記・ビザ・定住を同じチームが担当するため、段階ごとに窓口が変わることはありません。
日本企業のお客様からよくいただくご質問
日本で取得した登記事項証明書は、韓国でそのまま使えますか。
そのままでは使えません。日本はハーグ・アポスティーユ条約の締約国であるため、外務省のアポスティーユを受けたうえで韓国語訳を添える形になります。領事認証は不要です。
委任状にもアポスティーユが必要ですか。
委任状や決議書のような私文書は、そのままではアポスティーユの対象になりません。日本の公証人による認証を経てから外務省のアポスティーユを受ける段取りとなります。公文書と私文書で経路が異なる点が、実務上もっとも間違えやすい箇所です。
査証免除で入国して、そのまま韓国支店で勤務できますか。
できません。日本国籍の方は短期訪問について査証免除の対象ですが、韓国の拠点に赴任して職務に就くには、D-7(駐在)やD-8(企業投資)など該当する在留資格が必要です。入国できることと就労できることは別の問題です。
駐在中も日本の年金に加入し続けられますか。
韓国と日本の間には社会保障協定があり、本国で加入を継続する派遣勤労者は、本国機関が発行する適用証明書に基づいて韓国の国民年金加入を一定期間免除されうる場合があります。該当性は個別の事情によるため、赴任案件ごとに確認します。
段階別のご案内
価格はサイト上に公開しておりません。設置形態・業種・赴任人数によって範囲が変わるため、ご相談後に個別のお見積りとしてご案内します。ご相談は日本語で承ります。
韓国進出をご検討中の日本企業のご担当者様へ
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