韓国進出支援:現地法人設立・支店・連絡事務所の選び方
韓国進出は「どの法的形態で入るか」という一つの判断から始まります。現地法人(外国人投資法人)、韓国支店、連絡事務所は根拠となる法律が異なり、実際にできる活動の範囲も、赴任される方に開かれるビザの経路も変わります。KOCATIONはVISION行政書士事務所(비전행정사사무소)が運営しており、法人の設置登記とそれに続く駐在員ビザを単一の窓口で受け付けます。
外国企業が韓国に設置できる3つの形態
外国企業の韓国拠点は、3つの形態のいずれかとして登録されます。呼称の問題ではなく、根拠法が異なるため、韓国オフィスが実際に行える活動の範囲そのものが変わります。
現地法人(外国人投資法人)
韓国商法に基づいて韓国に設立する会社です。本社とは別個の法人格を持ち、韓国税法上は内国法人として扱われます。外国人投資促進法が定める基準 — 外国人投資家1人あたり1億ウォン以上 — を満たせば、外国人投資企業として登録できます。
韓国支店
別個の法人格を持ちません。支店は本社が韓国で営業しているものであり、責任も本社に帰属します。支店は韓国国内で収益を生む営業活動を行うことができます。外国為替取引規定に基づく設置届出を経て登記を行い、事業者登録番号の交付を受けます。
連絡事務所
支店と同じ外国為替上の届出手続きで設置しますが、営業活動を行うことはできません。本社との連絡、市場調査、広告・宣伝、研究開発支援といった非営業機能に限定されます。事業者登録番号ではなく、管轄税務署から固有番号(고유번호)が付与されます。
現地法人・支店・連絡事務所をどう選ぶか
判断の出発点は、韓国オフィスが最初の数年間に実際に何をするかです。韓国の顧客と契約し、請求を行い、韓国で売上を計上する必要があるなら、現地法人か支店でなければなりません。連絡事務所ではいずれもできません。
第二の基準は責任と資本です。現地法人は韓国での責任を韓国法人に限定できる代わりに資本金の送金が必要で、支店は資本金の払込みが不要な代わりに本社が直接責任を負います。第三の基準は人です。赴任者に開かれるビザの経路は登録した形態に従うため、形態の決定と赴任計画は順番にではなく同じ場で検討すべきものです。
| 現地法人(外国人投資法人) | 韓国支店 | 連絡事務所 | |
|---|---|---|---|
| 別個の法人格 | あり — 韓国の会社 | なし — 外国本社そのもの | なし |
| 韓国国内での営業活動 | 可 | 可 | 不可 |
| 届出の提出先 | KOTRAまたは指定取引外国為替銀行 | 指定取引外国為替銀行(一部の金融・制限業種は企画財政部長官) | 支店と同じ |
| 投資の基準額 | 外国人投資家1人あたり1億ウォン以上 | なし — 代わりに営業基金を導入 | なし |
| 税務上の番号 | 事業者登録番号 | 事業者登録番号 | 管轄税務署の固有番号 |
| 責任の帰属 | 韓国法人 | 外国本社 | 外国本社 |
| 駐在ビザの経路 | 必須専門人材はD-8、D-8に該当しない転勤者はD-7 | D-7 駐在(企業内転勤) | D-7 駐在(企業内転勤) |
根拠:外国人投資促進法および同法施行令、韓国商法第172条・第614条、外国為替取引規定第9-32条〜第9-34条、法務部出入国・外国人政策本部「査証発給案内マニュアル」。
韓国現地法人設立の手続き(段階別)
現地法人は外国人投資促進法に基づく外国人投資の経路をたどります。書類よりも順序が重要です。各段階が、次の段階で必要となる書類を生み出すからです。
1. 届出の前に投資ストラクチャーを確定する
外国人投資促進法施行令上、外国人投資とは投資金額1億ウォン以上であって、外国人が韓国法人の議決権のある株式総数または出資総額の100分の10以上を保有するか、株式等を保有しながらその法人に役員を派遣・選任することをいいます。誰が・いくらを・何パーセントで投資するかが、そもそも外国人投資に該当するかを決めます。
2. 外国人投資申告を行う
法は投資に先立ってあらかじめ申告することを求めています。申告の受付と申告証明書の交付権限は大韓貿易投資振興公社(KOTRA)の長および外国為替銀行の長に委託されているため、実務上は省庁の窓口ではなくInvest Koreaまたは指定取引外国為替銀行で処理します。
3. 申告した経路で投資資金を送金する
投資資金は申告した経路を通じて韓国に入る必要があります。この段階で発行される外国為替買入証明書と送金確認証は、のちに外国人投資企業登録とD-8査証申請で投資を立証する、まさにその書類です。
4. 管轄登記所で法人設立登記を行う
韓国商法上、会社は本店所在地で設立登記をすることによって成立します。定款、取締役および代表取締役の選任、資本金の構成はこの段階で確定します。
5. 管轄税務署で事業者登録を受ける
銀行・賃貸人・取引先・出入国官署のいずれもが求める書類が事業者登録証です。これが出るまで、法人は登記されただけで稼働していない状態です。
6. 外国人投資企業として登録する
法は出資目的物の払込みを終えたとき、または株式等の取得を完了したときに登録することを求めています。ここで交付される外国人投資企業登録証明書が、本社が送る人材のD-8経路を開く書類であり、のちに持分比率や商号が変われば変更登録の対象となる書類でもあります。
7. 法人口座を開設し、赴任実務へ移る
登記・事業者登録・外国人投資企業登録がそろえば、法人は口座を保有し、従業員を雇用でき、駐在ビザ申請の招へい者となることができます。ここが赴任段階への引継ぎ点です。
韓国支店・連絡事務所の設置手続き(段階別)
支店と連絡事務所は同じ届出経路で設置され、できる業務によって区分されます。外国為替取引規定は、非居住者の国内支社を、韓国国内で収益を生む営業活動を営む「支店」と、営業活動を行わず業務連絡・市場調査・研究開発活動などの非営業的機能のみを行う「事務所」に区分しています。
1. どちらが必要かをまず判断する
名称ではなく機能で分かれます。韓国拠点が請求書を発行し顧客と契約するなど、韓国国内で収益を発生させる予定であれば支店として届け出なければなりません。本社の支援機能のみを担うのであれば連絡事務所が正しく、その後も届け出た範囲の内側にとどまることが重要です。届け出た業務範囲が、その拠点にできることの限界だからです。
2. 指定取引外国為替銀行に設置届出を行う
非居住者が国内支社を設置しようとする場合は、指定取引外国為替銀行の長に届け出ます。ただし、資金の融資、海外金融の斡旋・仲介、カード業務、割賦金融など銀行業以外の金融関連業務、証券・保険に関連する業務、および外国人投資促進法など他の法令により許容されない業務を目的とする国内支社は、企画財政部長官に届け出ます。
3. 規定が求める添付書類をそろえる
外国企業国内支社設置届出書に、①本店である外国法人の名称・所在地および主たる営む業務の内容を証する書類、②他の法令により設置につき許可等を要する場合はその事実を証する書類の写し、③韓国国内で営もうとする業務の内容と範囲に関する明細書を添付します。三つ目は集める書類ではなく作成する書類であり、のちにその拠点が届出の範囲を守ったかを判断する基準になります。
4. 支店のみ:営業所の設置登記を行う
外国会社が韓国で営業をするには、韓国における代表者を定め、韓国内に営業所を設置するか、代表者のうち1名以上が韓国に住所を置かなければなりません。営業所を設置した場合、商法は設置日から3週間内に営業所の所在地で、目的・商号・代表者・本店所在地・営業所所在地などを登記することを求めています。この登記の前は継続して取引をすることができず、これに違反して取引をした者はその取引について会社と連帯して責任を負います。
5. 事業者登録、または連絡事務所の固有番号を受ける
支店は管轄税務署で通常の事業者登録を受けます。課税対象の供給がない連絡事務所は、代わりに固有番号の付与を受け、給与の源泉徴収や各種申告でこの番号を使用します。
6. 営業基金を指定取引外国為替銀行を通じて導入する
国内支社が外国の本社から営業基金を導入しようとする場合は、指定取引外国為替銀行を通じて導入しなければなりません。実際に導入された営業資金の実績は、のちのD-7申請で、その拠点が正常に運営されていることを疎明する資料になります。
本社でご準備いただく書類
韓国の登記所・税務署・銀行は、外国本社の実体と代理人の権限を証明する書類を求めます。外国の公文書は認証を経てはじめて受理されます。発行国がハーグ・アポスティーユ条約の締約国であればアポスティーユ、そうでなければ領事認証が必要で、韓国語訳も求められます。実務上もっとも過小評価されがちな段階であるため、本社が書類の収集を始める前に、登記所と銀行の基準で必要書類の一覧を先に確定します。
| 書類 | 証明する事実 | 求められる形式 |
|---|---|---|
| 本社の設立証明書または登記事項証明書 | 外国本社が存在すること、および代表権者 | 認証+翻訳 |
| 定款 | 本社の目的事業と海外拠点設置の権限 | 認証+翻訳 |
| 韓国拠点設置に関する取締役会または代表者の決議書 | 権限のある機関が決定したこと | 認証+翻訳 |
| 韓国側申請人への委任状 | 届出書・登記申請書に署名する権限 | 認証+翻訳 |
| 代表者の署名(印鑑)証明 | 登記申請に用いる署名の真正性 | 認証+翻訳 |
| 韓国における代表者の旅券 | 身元および登記に記載される番号 | 写し |
| 韓国国内で営む業務の内容・範囲の明細書 | 支店・連絡事務所の設置届出の必須添付 | 韓国語で作成 |
ここでいう「認証」は、発行国がハーグ・アポスティーユ条約の締約国であればアポスティーユ、非締約国であれば領事認証を指し、いずれの場合も韓国語訳が必要です。韓国における代表者が外国人の場合、商法は登記に外国人登録番号を、これがないときは生年月日を記載することとしています。代表者の在留資格を登記申請の前に整理しておくべき理由です。
韓国進出の所要期間:法定期間と審査期間の区別
進出スケジュールには、性質の異なる二つの期間が混在しています。一つは法令が定めた期間で誰にとっても同じであり、もう一つは登記所・税務署・銀行・出入国官署の審査期間で、法には定められていません。
本ページは後者について予想処理日数を記載しません。管轄・業種・案件によって異なり、個別の事情に合わない数字は数字がないことより有害だからです。以下の表は、事前に確定できる部分と、それぞれの期間が何を止めているのかを整理したものです。
| 段階 | 法定期間 | 終わって初めて動くもの |
|---|---|---|
| 外国人投資申告 | 原則として投資前にあらかじめ申告。法が列挙する場合(例:上場法人の既存株式の取得)は取得後60日以内の申告も可 | 申告した経路による投資資金の送金 |
| 法人設立登記(現地法人) | 期限の定めなし — ただし本店所在地で設立登記をしてはじめて会社が成立 | 事業者登録、法人口座、以後のすべて |
| 営業所設置登記(支店) | 設置日から3週間内 | 登記前は禁止される継続的な取引 |
| 外国人投資企業の登録 | 出資目的物の払込みまたは株式等の取得が完了したとき | D-8経路、および登録証明書を前提とする取扱い |
| 最初の赴任者の外国人登録 | 90日を超えて滞在する場合、入国日から90日以内 | 外国人登録証 — 銀行口座・通信・賃貸借がこれに掛かる |
| 滞在地変更の届出 | 転入した日から15日以内 | 住居の賃貸借で住所登録により得られる保護 |
| 外国人を雇用した事業主の届出 | 解雇・退職・死亡、所在不明、雇用契約の重要な内容の変更から15日以内 | コンプライアンス — 個人ではなく会社の義務 |
根拠:外国人投資促進法および同法施行令、韓国商法第172条・第614条・第616条、外国為替取引規定第9-32条〜第9-37条、出入国管理法第19条・第31条・第36条。審査期間は法定されていないため、受任時に管轄官署へ現在の処理期間を確認してご案内します。
設置後に残る義務
登録は継続的な義務を生み、その多くは決定を下した本社ではなく韓国法人に帰属します。外国人投資企業は、外国人投資比率・商号など定められた事項が変更された場合、外国投資家が取得した株式等を譲渡した場合、または資本減少により保有株式が減少した場合に変更登録を行わなければなりません。外国投資家が自己所有の株式の全部を韓国国民や韓国法人に譲渡した場合には、登録が抹消されます。
支店には別の義務があります。決算純利益金は指定取引外国為替銀行を通じて送金し、当該会計期間の純利益金が営業基金導入額の100分の100以上であるか、純利益金が1億ウォンを超える場合には公認会計士の監査証明書を添付します。閉鎖時には設置届出を受けた機関に閉鎖届出を行い、国内保有資産の処分代金を送金するには管轄税務署長が発給した納税証明の提出が必要です。
人の面では、就業活動ができる在留資格の外国人を雇用した者は、解雇・退職・死亡、所在不明、雇用契約の重要な内容の変更が生じた場合、15日以内に管轄の出入国・外国人官署の長に届け出なければなりません。人事部門がこの義務を、履行を逃したあとで知るケースが少なくありません。
韓国進出 — よくあるご質問
連絡事務所でも契約の締結や請求書の発行はできますか。
できません。連絡事務所は韓国国内で営業活動を行うことができず、本社との連絡、市場調査、広告・宣伝、研究開発支援といった非営業機能に限定されます。韓国で顧客と契約し売上を計上する必要がある場合は、支店または現地法人でなければなりません。
外国人投資企業として登録するにはいくら投資が必要ですか。
外国人投資促進法上、外国人投資家による1億ウォン以上の投資が外国人投資として認められ、これが外国人投資企業登録の基準となります。ただし実際の適正な投資額は、最低基準ではなく事業計画と利用予定のビザ経路によって決まることが多くあります。
支店の設置は現地法人の設立より早いですか。
支店は外国人投資申告と資本金送金の手続きがない分だけ段階は少なくなりますが、外国為替上の設置届出・登記・事業者登録は同様に必要で、本社の認証書類も同じく求められます。実務上は形態よりも、本社がアポスティーユ付き書類をどれだけ早く準備できるかがスケジュールを左右します。
韓国支店の責任は本社に帰属しますか。
はい。支店は別個の法人格を持たず、外国企業自身が韓国で営業しているものとみなされるため、支店が負う義務は本社の義務となります。一方、現地法人は別個の韓国会社であるため、韓国での責任はその法人に限定されます。
設立とビザをKOCATIONで一括して対応してもらえますか。
はい。KOCATIONはVISION行政書士事務所が運営しています。法人・支店の設置登録、それに続く駐在員ビザ、派遣される方の定住までを単一の窓口で受け付けるため、法人の設置と人の赴任が同じスケジュール上で動きます。
次の段階
本ページの法令の引用は、国家法令情報センター(law.go.kr)の現行条文および法務部出入国・外国人政策本部「査証発給案内マニュアル」と照合して作成しています。価格はサイト上に公開しておりません。設置形態・業種・赴任人数によって範囲が変わるため、ご相談後に個別のお見積りとしてご案内します。
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